« ちっちゃくてかわいらしい欠片に詰め込むものは♪ | トップページ | サンチャゴの鐘 »

2014年3月15日 (土)

前立腺針生検を体験

1年ほど前からPSA(前立腺特異抗原)値が正常値との境の4.0ng/mlを上回る状態が続き、昨年秋のまちのがん健診で5.33に上昇、今年1月のSクリニックでの検査で10.1とさらに急上昇。自覚症状が頻尿ぎみであることくらいしかないので、それまで主治医も小生も様子見を決め込んでいたのだが、2桁の数値をマークするに及んで、いよいよ「生検」でもやっておこうかということになり、今日までの木、金、土の3日間、2泊3日で生まれて初めての「前立腺針生検」というのを受けてきた。

まず1週間前からワーファリンの服用を中止。出血時のコントロールが難しくなるからだ。

予約してもらった通りに、朝10時30分に病院に到着。病衣と大小のタオルとティッシュペーパーの入院セット1日350円を契約し、隣接しているコンビニでT字帯を購入して採血検査を済まして病棟へ。泌尿器科の本来の病棟はいっぱいだったとかで、隣の病棟で小生だけ異質な患者としてチェックイン。

さっそく、看護師に問診というか、既往症や家族構成などについて質疑を受ける。そして看護師は「では、キーパーソンは奥様ですね?」と聞く。前もって、家で記入した用紙にも、「頼っている人は?」という質問事項があって、まぁ、一般論として誰か一人を挙げよといえばカミさんかなぁと思いつつ「妻」と書いておいたから、看護師の質問にも「そうですね」と答えた。キーパーソンと言われると、なんだか、小生よりもカミさんのほうが偉そうな感じになるが、この場合の答えはそうなのだろう。

すると、「奥様は明日は来られますか?」と、まったく予想だにしていなかったことを聞く。「えっ、何をしに家内が来るんですか?」とつい聞き返してしまった。「手術の付き添いですよ」と、看護師。カミさんも先日、1泊2日で大腸のポリープを切除する手術を受けたが、当然のごとく一人で病院に行って一人で帰ってきた。小生のほうは検査なのに付き添いがいるのかと、唖然。まぁ、カミさんも取り立てて用事はないだろうからとケータイで電話すると、二つ返事で来るという。<

事ここに至ってわかってきたのだが、検査とはいえ、この病院ではまったくの手術扱いなのだ。

看護師との質疑を終えると、次に薬剤師がやってきた。男性の薬剤師と研修生だという女性の2人連れで、小生が持参した高血圧、痛風(尿酸値抑制)、胃炎の薬をチェックし、「こちらで預かって管理します」とのこと。やっぱり、大きい病院だといろいろな面で行き届いとるなぁと感心。上辺とはまったく異なる実態がのちのちにわかることになるのだが、この時点では病院のスタッフらに頼もしさを感じていた。

看護師が、入院中の治療計画を書いたものをくれ、口頭でも改めて説明を受けた。

んで、予約をとっておいてくれたということで、午後4時に入浴。一人30分の持ち時間で、一人一人が交代で入浴する方式。ふだんの小生の入浴時間は15分だから、30分もあれば十分だった。

夕食を済ませたあとで、執刀医の先生が来て、身体に変わったことはないか確認。

夜は、看護師が夜勤の人に交代。その挨拶を兼ねて、血圧と体温を測って消灯。といっても、まだ午後9時ということで、小生はiPad miniで月刊「文藝春秋」を読みふけった。近ごろはこの雑誌も面白い記事が少なくなり、あまり手にすることがなかったのだが、病室にはWiFi環境がないだろうからネットはできないだろうと思い、暇つぶし用にあらかじめダウンロードしておいたのだ。

一定の質を期待できる赤坂太郎を除いては、これといった読み物がないなかで、渦中のリケジョ、小保方さんのことを書いた文を読み、それなりに優秀な人ではあるんだなと感じて、それまでの単なるコピペ女子という見方を改めた。

金曜日の朝。カミさんが途中、道に迷ったとかで15分ばかり遅れて到着。前日の夕飯のあとは何も食べておらず、手術のための抗生薬を飲むためのわずかばかりの水のみ許される。起き抜けに夜勤の看護師さんが入れてくれた座薬が効いてきて、出すべきものは出して準備万端。朝の回診で執刀医を筆頭に4人の医師(卵含む)が来室、「きょうはよろしく」と挨拶。

ここで日直の看護師さんに交代。今どきの若い男性そのままの人である。ただ、看護師という職業を選んだのだから心優しき青年に違いない。彼が手術後に小生を乗せるストレッチャーを押し、小生とカミさんと3人で手術室へ。小生は手術着の下はノーパン。エレベーターを待つ間に、彼が「この検査を受けた人は気持ちよかったという人が多いですよね」と異なことを言う。

ネットのブログなどを検索すると、体験談はどれも激しい痛みに耐え抜いたという記録ばかりだ。なんしろ、直腸からその外にあるクルミ大の前立腺という器官に向かって、ボーガンのようなもので針を12カ所も打ち込んで組織を採取するのだ。

Photo

しかも、局所麻酔がロクに効かなかったという報告が多い。だが、わが病院は全身麻酔で、痛みはほとんどないという触れ込み。だからこそ、この検査を受けることにしたのだ。どんなに痛くても、あるいは苦しくても、こないだの胃カメラとどっこいどっこいだろうと考えたのだ。

さて、カミさんを手術室の隣の控室に残し、男性看護師と手術室のあるフロアに入室。するとまず、かわいらしい看護師さんが自分が担当だと自己紹介。次いで、麻酔医が既往歴やアレルギーの有無などについて問診。いよいよ手術台のある手術室に入ると、執刀医のほかに、朝の回診のメンバーがそろっていた。

手術台に上り、横になる。下半身を乗せる部分が短くて足を伸ばすとはみ出るが、足を伸ばせと執刀医。女性のお産のスタイルで検査を受けると聞いていたので、どこかの時点で、足を乗せる台を持ち出して、そこに乗せてくれるのだろうと思いつつ言いなりの姿勢に。「じゃ、麻酔の点滴をしましょう、手の甲に点滴の針をさします」という麻酔医の言葉を聞いたのが最後だった。

Photo_2

(イメージ写真)

気が付くと、手術室外のフロアでストレッチャーに乗せられて、男女2人の看護師が小生の顔をのぞき込んでいた。「あれっ、もう終わったの?」と聞いてしまった。手術台の上に乗ったのは覚えているが、あとは何にも記憶にない。知らないうちに終わっていた。所要時間は20分ほどだろうか。正確には測らなかったが、看護師が正味15~20分、手術フロアにいる時間全体で30分くらいと言っていたから、そんなところなのだろう。いずれにしても、痛いも気持ちいいもない、知らんうちに終わっていたのだ。

どうも、自分は麻酔が効きやすい身体のようだ。20年近く前に首の上から3番目から6番目までの骨を切断し、それぞれに人工骨を入れて頸髄の周りを広げるという大手術を受けたときも、初めての手術だっただけに麻酔が効かない場合を想定して慄いたのだが、何のことはない。今度と同じで、あのときも麻酔を打たれた瞬間に寝てしまい、目が覚めたときは手術が終わっていた。

てなわけで、手術こと針生検は無事終了。2時間、点滴を受けながらベッドで安静にしたあと、歩行が許された。心配された血尿や直腸からの出血も自覚するほどのものはなく、まずは成功といったところ。手術後に手術室担当の女性看護師が履かせてくれたのだろう、T字帯をはいていた。男性看護師が、それももう着替えていいですよ、気持ち悪いでしょ、という。T字帯、いわゆるふんどしは、親父が愛用していたので、別に違和感はない。それでも少し血がついていたのではきかえた。

ところがである。ここから、この病院のおおざっぱさというか、看護師同士のコミュニケーションの悪さが目につきだす。

まず、男性看護師が、小生がベッドから降りたついでに、一緒に昼飯のトレーをとってきましょうと言う。入院時に渡された治療計画では、夕飯から食事を摂れると書いてあるのにおかしいなと思っていると、看護師は小生の昼食をさんざん探したあげく、「あっ昼食はできませんね」とようやく気付いた。次いで、小生が尿をポリ容器に溜める畜尿を指示されていることも知らないことが判明。その後、夜勤で交代した女性看護師も、微妙におかしい。血圧が高いので、血圧の薬を再開したほうがいいのではと聞いても、翌朝から再開することになっているといい張る。これも治療計画にはない説だ。というより、ワーファリン以外の常用薬は手術当日も続けるはずなのに、どうして中止したのか? そもそも、わざわざベッドにまで挨拶にきたあの薬剤師はどんな働きをしているのかと、あきれた。どうも、小生のような病状はこの病棟では異例なので、看護師としても慣れない面もあるらしい。

昨夜からワーファリンのほうは服用を再開。朝食を済ませ、回診も終えて、退院が正式決定したので、女性看護師が点滴の針を抜いてくれた。きっとワーファリンを服用していることなど失念していたのだろう。数分後には、手の甲にまいた絆創膏から血があふれ、ベッドの布団を赤く染めていったのでした。

んで、検査の結果は3月24日(月)に判明する予定だ。

« ちっちゃくてかわいらしい欠片に詰め込むものは♪ | トップページ | サンチャゴの鐘 »

健康」カテゴリの記事

前立腺がん闘病記」カテゴリの記事

コメント

明日、私も大学病院でこの検査のため入院します。
貴殿の体験記を読ませていただき、不安な気持ちが楽になりました。
ありがとうございます。助かりました。

新潟の臆病な熊さん、小生のブログにお越しいただきありがとうございます。少しでもお役に立てたなら光栄です。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/594586/59299044

この記事へのトラックバック一覧です: 前立腺針生検を体験:

« ちっちゃくてかわいらしい欠片に詰め込むものは♪ | トップページ | サンチャゴの鐘 »

無料ブログはココログ

最近のトラックバック

ウェブページ