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2015年7月13日 (月)

日経「私の履歴書」考

会社で暇にあかせてネットサーフィンをしていたら、「日経Bizアカデミー」で元ソニー会長兼CEOの大賀典雄氏(故人)の「私の履歴書」復刻版の連載がスタートしていた。

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(大賀典雄氏=「日経Bizアカデミー」電子版より)

2003年1月に日経新聞に連載した「私の履歴書」を再掲するのだそうで、なかなか歓迎すべき企画だ。

経済記者時代、ソニーの経営者は創業者の井深大、盛田昭夫両氏をはじめ、この大賀氏とそれに出井伸之氏まで何度かインタビューしたことがあり、それぞれに何らかの言葉や仕草が印象に残っている。

大賀氏に最も長いインタビューをしたのは確か戦後60年企画の一環で、日本のエレクトロニクス産業やソニーの来し方を振り返ってもらい、明日への提言をもらうという内容で、御殿山の本社で2時間くらいじっくり話してもらったことがある。当時は名誉会長という比較的のんびりできる立場に退いていた。

北京で趣味のオーケストラの指揮をしている最中にクモ膜下出血で倒れてから4年ほど過ぎ、すっかり体調も快復していた時期だったが、スーツの下に何か機械的なものをつけて応接室に登場したので、一瞬、驚いた記憶がある。聞けば、定期的に24時間心電計で心電図を測っているのだという。最近、小生も24時間心電計のお世話になったが、もっと簡素な機械というか、外見には気がつかないくらいの装備で済んだ。それで大賀さんのことを思い出して、昔はそれなりに大げさな機械だったんだなと思ったりした。

経営論的な話はあまり好まない人だったように思う。というか、「そもそも経営とは…」なんて話を聞いた記憶がない。そういう話は盛田さんのほうがずっと好きだし上手だったから、控えていたのかもしれない。だけど技術とかデザインとかのトレンドの話には熱くなる人だった。

物事をとことん納得するまで、追究する人でもあった。そもそも、井深、盛田両氏からソニーに誘われた経緯が、東京芸大の学生時代からソニーに出入りし、テープレコーダーの開発にしつこく口を挟んでいたのを見染められたからである。

いみじくも、同業他紙のライバル記者が大賀氏のことを「偉大なるクレーマー」と呼んだことがあるが、けだし名言である。そういえば、元東京電力会長・社長の荒木浩氏から聞いた話だが、お互い経団連の副会長時代に、大賀氏から直接、電話で、東電が発電している電気の質を高めてくれないと困るという趣旨のクレームをもらったそうだ。詳しいことは忘れたが、ソニーで開発中の音響関連か何かの装置を実現するには、電力会社が作る電気そのものの質を高める必要があるというようなことなんだが、荒木さんによると、それは大賀さんの誤解であって、何度もその理由を説明してやっとのことで納得してもらったという。

大手企業の経営者になっても、おかしいと思ったら自ら直談判する姿勢が大賀氏らしい。学生時代にソニーのテープレコーダーの評価係を買って出たのも、音楽家の卵として、あくまで音質の良いテープレコーダーが欲しいという純粋な気持ちからだった。三つ子の魂百までということか。会長になっても、よその会社の会長にクレームをつけようという姿勢がかわいらしくもある。

大賀氏の「私の履歴書」の中身はかなり覚えていると思うが、改めて読むのも掲載当時のことを思い出すという意味も含めて、楽しめそうではある。

「私の履歴書」と言えば、本紙のほうは今月、浅丘ルリ子氏だ。今のところ淡々とした感じで話が進んでいる。ふと、感じたのは、体言止めが多く、作文は素人ではあるがそこそこの自信を持っている女性特有の文章だということだ。単にインタビューをまとめたのではなく、本人が書いたままか、編集で手を入れるにしても、本人の書いた文章をできるだけ生かしてまとめている感じがする。これから、どの程度、サプライズさせてくれるのか、こちらも楽しみではある。

それにしても、日経新聞の電子版会員はお得だ。「日経ビジネス」をはじめ、日経BP社で出しているほとんどの雑誌が追加料金なしで読めるんだから。

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