スペイン歌曲を堪能
昼過ぎに代々木公園の白寿ホールへ。
う~ん、おばさんばっかりだなぁ。
催し物は、「谷めぐみ30周年記念リサイタル スペインわが心の歌」
ソプラノ歌手、谷めぐみさんはスペイン歌曲のスペシャリストなんだそうだ。ピアニストの浦壁信二さんが伴奏するというので駆けつけたので、谷さんのことはよく知らなんだが、とても素晴らしいコンサートだった。
谷めぐみさん(プログラム・パンフレットより)
浦壁信二さん(同)
もう2年近く浦壁さんのピアノを聴いてないので、どしちゃったの?と心配していたら、最近は東京近辺では伴奏の仕事が忙しく、リサイタルの予定がなかなか組めないというので、んじゃ、伴奏を聴こうよ、となった次第。
300席のこじんまりしたホールで全席自由席なんだが、満員で空席を探すのにひと苦労。結局、ピアノを弾く浦壁さんの両手がよく見える前から3列目の中央やや左寄りに座れた。ラッキー。
谷さんは京都市立芸大の声楽専攻を卒業後、スペインに留学。帰国後初のリサイタルを開いてから今年で30年というわけだそうだ。ちなみに、浦壁さんは都立芸術高校音楽科在学中にパリ国立高等音楽学院に留学。1994年オルレアン20世紀音楽ピアノコンクールで特別賞ブランシュ・セルヴァを得て優勝した俊英なんだが、音楽の高等教育機関の世界最高峰とされるパリ国立高等音楽学院では和声・フーガ・伴奏科で1等賞を獲得して卒業しているだけに、伴奏も得意なんだ。
アカペラの「母なるマリアに」でスタート。あとは浦壁さんの伴奏つきで、アンコールの3曲も含めて22曲を披露してくれた。MCのときはマイクを使うが、歌うときはもちろんマイクなし。朗々として透き通るような声に心を洗われる思いだった。
もちろんスペイン語はさっぱりだが、谷さんが大意を翻訳したものがパンフに載っているので十分楽しめる。
「黒人の子守り歌」
おやすみ坊や 小さな子/ヤシの実みたいな頭/コーヒー豆みたいな顔/ちゃんと寝ないと白い悪魔に食べられる/でも大丈夫!もうお前は奴隷じゃない/いい子にしてたらボタン付きの服を買ってもらえるよ/おやすみ坊や おやすみ…
てな感じ。この「黒人の子守り歌」や有名な「ラ・パロマ」などハバネラを4曲歌ってくれたのが小生にはうれしかった。
唇を小刻みに震わせる独特の歌い方を見ていて、スペイン語もフランス語のように口の筋肉をたくさん使う言葉なのかなとふと思った。学生時代、フランス語の教師が、フランス語を覚えるためにスプーンで口の中をこねくり回して口の筋肉を鍛えたと話していたのを思いだしたのだ。
曲の合間に、スペイン留学中のことや日本でデビューしてからの30年間のことを楽しそうに話してくれたが、歌うときの口元を見て、相当に苦労したというか努力をされたんだなと感じた。まぁ、単身、音楽修業で留学する人たちはやはり若くしてそれなりの覚悟と信念を持ったんだから、そこいらの一般人とは違うわなとも思う。浦壁さんなんか、高校生のときにパリに行っちゃったんだからなぁ。本人は、「日本の学歴は中卒です」と言うけど、小生が高校生のときには海外留学なんて夢にも思わなかったぜよ。
その浦壁さんのピアノは伴奏というよりも、共演だね。谷さんと丁々発止の掛け合いが見事でした。最後の最後にマイクを振られて、最近はMCに自信を持っていたはずが、まったく予期していなかったようで、さすがに焦っていたけど(笑)。
アンコールの3曲のうち、1曲目は誰もが知っている「アルハンブラの思い出」をスキャットで、そして最後は十八番のカタロニア民謡「鳥の歌」で締めるというよく練られたプログラムに観客は大満足でした。
帰りに久々に池袋の行きつけの居酒屋に寄ったら、隠居したはずのおじさんが昔の名前で出ていてびっくり。2年ぶりに復帰し、月と土の週2回だけ店に出ているのだとか。このおじさん、「男はつらいよ フーテンの寅」に出てくる初代「おいちゃん」(森川信)にそっくりでとても親しめるんだ。
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