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2017年8月13日 (日)

梶井基次郎「檸檬」について

去る7月に創刊号が発行された季刊誌に編集委員の一人として関わるようになった。その季刊誌の名前の一部に「檸檬(れもん)」という文字が使われている。このタイトルを聞いたとき、「レモン」ならまだしも、いまどき「檸檬」なんて古めかしい名前をつけたら売れんのじゃないか、そもそも読めないだろうと心配になったんだが、名づけ親の編集長がいたく気に入っていて、原稿料の領収書に金額と一緒に宛先も書くように言われたもののこんな字をスラスラと書けまっかいなと文句を言いつつ、他の名前を考えるように進言しても、頑として変えようとはしなかった。

その編集長いわく、このタイトルは、梶井基次郎の代表作「檸檬」が由来なんだと。で、「いっぺん、読んでみれ」と。

じやぁ、付き合いで読んでみるかと思いつつも、いくつか別の本に時間を割いていたので、ようやく最近になって通勤電車の中で青空文庫をダウンロードした。

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短編というよりも掌編といったほうがしっくりくるようなごく短い小説だ。1行1行をじっくりと味わいながら、時には一段落を繰り返しなぞりながら読んでも、1時間もかからないうちに読み終えた。乗り換え駅に到着するよりもずいぶん早く読み終えたから、せいぜい40分程度か。

筆者が24歳くらいの時の作品。「えたいの知れない不吉な塊」に圧迫を感じている旧制三高の生徒とおぼしき主人公が散歩の途中で、自分が好きな「レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色」の檸檬を購入。ふと丸善に立ち寄る。本や文房具だけでなく洒落た香水瓶や煙管なども陳列されている丸善は、かつては好きな場所だったが、「不吉な塊」に圧迫されるようになってからは避けたい場所になっていた。ところがこの日は「やすやすと入れるように思え」て入ってみた。

しかし、画集などを広げているうちになんだか憂鬱な気持ちになってきて、本棚から取り出して何冊も積み上げた画集の上にくだんの檸檬1個を置いて店を出る。檸檬を爆弾に見立てて「あの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだろう」と考えたのだ。

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現実の社会に素直に順応できない若者のささやかな抵抗ということか。レモンは使わないものの、似たようなスケールでのうっぷん晴らしをした経験ははるか昔に確かにある。

季刊誌の編集長によると、京都に限らず、例えば東京・丸の内の丸善でも、いまだに1年に1回は平積みの本の上にレモンが置かれているのだという。「ほんまかいな」と思ったが、編集長は小説そのものよりも、この後日談がいたく気に入り、「青春の象徴的意味合い」をタイトルに籠めたつもりのようだ。

ネットで「丸善 京都」をググると、丸善京都支店が開設されたのは1907(明治40)年。2005年(平成17)年にいったん閉店したときには、閉店を惜しむ客が本の上にレモンを置く様子が話題になったそうな。

てなわけで、いつものコースをさらに延長してウォーキング。

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田んぼにかかしもお目見えして1万5500歩。10.8km。

夕食時に麦焼酎のオンザロックにレモンを添えてみる。

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夏休みで遊びにきている孫(1歳8カ月)にも一切れ。

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この孫、酸っぱがる顔見たさに、半年ほど前からみんなが何度もレモンを食わせるので、いまではすっかりレモン好きになってしまっているのだ。

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